
怪物ベンサム 快楽主義者の予言した社会 (講談社学術文庫)
土屋恵一郎
講談社 / 2012-01-11
累計読者数4
平均ハイライト数 9件/人
推定読了時間 約5時間46分
star総合評価 51/100
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この本について
最近、「言葉ってどこまで本当なんだろう」と思う場面が増えました。ニュースを見ても、人の発言を追っても、その裏側にある“意図”や“欲望”が読めないまま振り回される感じがある。自分も例外じゃなくて、仕事でも日常でも、言葉に振り回されて判断を誤った経験がいくつもあります。 『怪物ベンサム』を読んで面白かったのは、功利主義で知られるベンサムが、実は「言葉が作るフィクション」に異様なまでに敏感だった人として立ち上がってくるところです。抜粋部分にも出てきますが、彼はスキャンダルや世論が言葉によってどう捏造されるかを徹底的に追いかけ、法の世界でも、記憶や慣習がどれだけ“見えない力”として作用しているかに苛立っていた。現代の情報環境でモヤモヤしている感覚は、200年前にも同じ形で存在していたんだと実感します。 また、ベンサムの奇妙な妄想めいた計画や、暴露への執着も描かれていて、彼が単なる理論家ではなく、「社会の裏で動く動機や欲望をどう扱うか」に悩み続けた生身の人として見えてくる。理性だけでは割り切れないものをどう扱うか、という問いが自分の生活にもそのまま刺さります。 言葉や情報の空気に疲れている人、表に出ない“意図”をどう読むかで迷っている人には、静かに効いてくる本だと思います。
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出版社による紹介
功利主義者、パノプチコン創案者。近代批判の中で忘却されたベンサム。しかし、この怪物の構想は現代にも生きている。死刑廃止、動物愛護、都市衛生、同性愛擁護、さらにはチューブによる社会通話システム、冷蔵庫……。人間を快感と欲望の中に配置し、自我の解体をも試みた男。19世紀最大の奇人啓蒙思想家の社会設計図を解読し、その背景を解明する。(講談社学術文庫)
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