
ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)
高橋源一郎
講談社 / 2004-04-10
この本について
仕事に追われたり、言葉がうまく選べなかったりして、「自分の感覚がどこか薄くなってきているな」と思うことがありませんか。人と会話していても、結論ばかり急いでしまう感じというか。そんなときに、この『ジョン・レノン対火星人』みたいな本に触れると、思考がいったんほどけて、別の回路が静かに動き出すような感覚がありました。 この本が効いてくるのは、まず“世界の見え方がちょっとズレる瞬間”をくれるところです。引用にあった「全てが有機的な秩序の連鎖」という言葉の通り、ふだんバラバラに見えていたものが、実はひそかにつながっていたんじゃないかと思わせてくれる。しかも、それを理屈で押しつけてこない。詩のような語り口や、突拍子もない設定を通じて、こちらの理解が勝手に動き出す感覚があります。また、「バイ、バイ。ぼくの『少年時代』」のような、少し切なさの残る別れ方が随所に出てきて、読む側の記憶まで揺れるんですよね。成長とか成熟とか、そういう言葉で片づけられない感情を思い出させてくれます。そして、ときどき紛れ込むブラックユーモアのような表現も、世界の“真面目すぎる部分”に風を通してくれる役割をしていると思います。 フィクションだけど、読み終わったあとに自分の思考の温度が確かに変わっている。そういう意味で、これは物語というより「感覚の再調整装置」みたいな一冊でした。日常の意味づけをいったん外してみたい人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要







