
ホワイトヘッドの哲学 (講談社選書メチエ)
中村昇
講談社 / 2007-06-10
この本について
仕事でも生活でも、「自分が動いているのか、状況に動かされているのか」がよく分からなくなるときがあります。目の前の出来事に巻きこまれている感じはあるのに、自分という主体がどこにいるのかは曖昧なまま。そんなモヤモヤを言葉にできずに抱え続けている人は多いと思います。 『ホワイトヘッドの哲学』は、この “巻きこまれ感” をそのまま出発点にしてくれる一冊でした。世界は「もの」ではなく、境界のない「こと」が生成しては消えていく場で、私たちもその中の出来事として形づくられているという視点に触れると、主体と客体の間で迷子になる感じが少し落ち着きます。自分の感覚や判断も、孤立した頭の中で完結しているのではなく、環境との関係のなかで立ち上がっているのだと理解できるからです。そして、この関係そのものを成り立たせているのが「フィーリング」だという説明が、日常の体験に妙にフィットします。強い音や衝撃に反応するときの、あの「自分と対象を分けられない瞬間」の扱い方が変わります。 読みながら思ったのは、変化が激しすぎて「軸」を探し続けてしまう今の感覚に、この本は過度な答えを与えないまま、世界の見え方を少しだけほぐしてくれるということ。世界そのものが流動していて、自分もその一部として生成しているのだとすれば、「どこに立てばいいか」と固めようとする緊張が少しゆるむ。そんな読後感がありました。 「自分の役割や位置づけを一度リセットして考え直したい人」に静かに寄り添う本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





