
朱子学と陽明学 (ちくま学芸文庫)
小島毅
累計読者数8
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推定読了時間 約5時間4分
star総合評価 49/100
start序盤集中型
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この本について
最近、歴史や思想の話に触れても「結局いまの自分にはどう関係あるんだろう」とモヤッとすることが多くて、調べるほど霧が濃くなる感覚がありました。とくに朱子学と陽明学は、名前だけが独り歩きして、実像がよく分からないまま評価だけが並ぶことが多いですよね。 この本は、その霧をゆっくり晴らしてくれました。教説そのものより「なぜ彼らがそう考えたのか」という時代背景に踏み込むので、抽象論ではなく、思想が生まれた必然が見えてくる。たとえば、朱熹がなぜ出版という“新しい武器”を使って学派を広めたのか。その事情を知ると、単なる思想比較ではなく、人が環境にどう反応し、自分の信じるものを形にしていったかが立体的に感じられます。また、陽明学がしばしば「欲望肯定」とまとめられる理由も、明代の社会の物欲膨張という文脈を知るとまったく見え方が変わります。 思想そのものより“翻訳されたイメージ”に触れてきた自分にとって、明治以降の日本が朱子学と陽明学の理解をどう作り替えてきたのかを知るのは、かなり大きな転換点でした。自分が当たり前だと思っている価値観の根っこに、意外と儒教の語彙が生き残っている。その事実は、ものの考え方をもう一段深く点検するきっかけになります。 歴史的な思想を「今の判断に持ち帰りたい」と感じている人には、とても静かに効く一冊だと思います。
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出版社による紹介
儒学は、中華帝国の正統思想として2000年の長きにわたり君臨してきた。その儒教史上に燦然とかがやく二つの学派がある。南宋の朱子によって体系化され、やがて明・清および朝鮮で体制教学となった朱子学であり、それを明の王陽明が批判的に継承し展開した陽明学だ。日本を含む東アジアの思想文化に決定的影響を及ぼしたこれらの流派は、はたして何を唱えたのだろうか。朱子学・陽明学が誕生した時代背景とその問題意識に焦点をあてることで、通俗的理解とは大きく異なる実像が見えてくる。両教説の異同を明快に説き、壮大な思想体系の全体をあざやかに一望する、入門書の決定版!
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