
論文の書き方 (岩波新書)
清水 幾太郎
ナツメ社 / 2011-05-02
この本について
文章を書こうとすると、つい「長く書けばなんとかなる」と思ってしまうことがあります。読んだ本の内容も、いざまとめようとすると霧みたいに散ってしまって、どこから手をつければいいのか分からなくなる。僕も何度も同じ壁にぶつかりました。 『論文の書き方』が効いてくるのは、この“霧”の正体をはっきりさせてくれるところです。清水幾太郎は、まず短い文章を書くことを徹底的に勧めます。理由は単純で、短く書こうとすると、拾ったものの大半を捨てざるを得ないからです。そこで初めて自分が何を理解したのか、逆に分かっていないのはどこかが炙り出される。さらに、書物という相手がある短文を書くと、読む姿勢そのものが受動から能動へひっくり返されます。読みっぱなしだと風船のように浮いていく理解が、書くことでようやく地面につながる。そんな感覚に心当たりのある人は多いと思います。 もう一つ刺さるのは、言葉を“飾らない”態度です。流行語や気の利いた表現でごまかすのではなく、平凡な言葉を鋭く使う。これが、読まれる文章の最低ラインなんだと腑に落ちます。表現がくどくなるほど内容が弱くなる、という指摘は耳が痛いけれど、本当にその通りだなと思いました。 読むだけでは定着しない。書くことでようやく理解が完了する。この本は、その当たり前を、逃げ道なしで突きつけてきます。読んだことを自分の言葉でまとめたいけど、毎回ぼやけてしまう人に刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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