
テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅
児玉博
小学館 / 2017-11-20
累計読者数5
平均ハイライト数 2件/人
推定読了時間 約3時間37分
star総合評価 48/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 75%
この本について
仕事で大きな判断を迫られるとき、後から「あれって本当に最善だったのか」と考え直してしまうことがあります。数字の裏にある力学や、人の思惑まで読み切れないまま動いてしまう感じ。僕もよくその渦に巻き込まれて、決めた後にどっと疲れるタイプです。 『テヘランからきた男』は、東芝とWHの巨額案件を軸にしながら、その“読み切れなさ”がどう積み重なるのかを容赦なく描いていきます。プット・オプションの一文を読んだ人なら分かると思いますが、「契約って、こういう形で未来を固定してしまうのか」という怖さが生々しい。さらに、国の原発政策が官僚主導で動き、その波に企業がどう呑まれていくのかも具体的に描かれていて、現場で意思決定している身としては他人事ではありません。 面白いのは、西田個人の価値観や“十訓”、ジャック・ウェルチ流のルールが挟まれてくるところです。立派な言葉に見えるのに、実際の判断では綺麗に当てはまらない。そのズレが、逆に自分の仕事にも重なってきます。理想を掲げたままでは動けないし、理想を完全に捨てても迷走する。その中間でどう決めるかを考えさせられました。 大きな判断に未練が残りやすい人、組織の決断に何が乗っているのかを知りたい人には特に刺さると思います。僕自身、「決断って結局、その時点の限界条件の中でしかできないんだよな」と少し腹落ちした一冊でした。
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出版社による紹介
“戦犯”と呼ばれた男が全告白。 イランで現地採用され、社長に成り上がるや、米原子力事業を6400億円で買った男は、いつ、どこで、何を、どう、間違え、東芝を “奈落の底”に突き落としたのか。 大宅賞作家が第15代東芝社長、西田厚聰の肉声を交えながら描いた企業崩壊ドキュメント。 ――東日本大震災、そして原発事故がなければ、東芝はどうなっていたんでしょうか。 「事故が起きなくても同じような問題が起きたんじゃないでしょうか。先延ばしされただけじゃないかな。すべては経営の問題だから」 2017年10月初旬、最後のインタビューは行われた。実は、西田は9時間を超える大手術、3ヶ月に及ぶ入院生活を経て、ようやく退院したところだった。存亡の危機に立たされていた古巣と同様、この男もまた死線をさまよっていた。 【ご注意】※この作品は一部カラーを含みます。
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