
トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男 (文春e-book)
児玉 博
文藝春秋 / 2024-02-07
累計読者数7
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推定読了時間 約4時間1分
star総合評価 48/100
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この本について
仕事で「この判断、本当に正しいのかな」と迷ったり、人間関係の温度差に疲れたり、自分の立場の弱さを意識してしまう瞬間ってありますよね。正面から努力しているつもりでも、場の力学や文化の違いに翻弄される感じ。読者の方が保存していた場面は、まさにそんな“現場のリアル”に刺さっているように見えました。 この本が面白いのは、トヨタの巨大さとか成功物語よりも、個人がどう判断して、どう生き延びて、どう仲間を動かすかという泥くさい部分がはっきり描かれているところです。中国社会で生きてきた服部の「裏金も常識」という温度感や、ライバル企業とも飲みに行く処世術。奥田の「石橋を叩きすぎて渡れない会社をどう変えるか」という焦りと、現場に何度も足を運ぶ姿勢。こういう具体的な行動が重なって、「ああ、組織ってこうやって動くんだな」と腹に落ちてきます。 自分の立場が弱いと感じる時ほど、腕力ではなく“どの場所でどう振る舞うか”が効いてくるし、逆に権限を持つ側に回った時にどう現場と接続するかで、組織は大きく変わる。この本はその両方を生々しく見せてくれます。特に、変化の必要性はわかっているのに、一歩目が重たい人には刺さると思います。 派手な成功談ではなく、現実の温度で仕事を読み解きたい時に手に取りたくなる一冊でした。
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出版社による紹介
トヨタ最大の秘密を知る男の「告白」 企業人の“業”を描く児玉博さんの今作は、トヨタの中国事務所総代表だった服部悦雄氏が主人公です。服部氏は、「低迷していたトヨタの中国市場を大転換させた立役者」であり、「トヨタを世界一にした社長、奥田碩を誰よりも知る男」であり、何より「豊田家の御曹司、豊田章男を社長にした男」として、自動車業界では知る人ぞ知る人物です。トヨタをモデルにしたベストセラー小説『トヨトミの野望』の作中にも、服部氏は「中国の怪人」として仮名で登場します。 服部氏は戦争中に生まれ、27歳まで家族とともに中国にとどまりました。毛沢東の大躍進運動、文化大革命では、一羽の腐った雀を家族で分け合うような飢餓や、零下20度の小屋での一人暮らし、原生林での強制労働と、日本人ならではの苦難を体験します。 帰国後、トヨタに入社。アジア地域の担当を命じられ、トヨタ中興の祖である豊田英二と上司の奥田碩の目に留まり、服部氏はみるみる頭角を現します。 実はトヨタは、中国への進出が遅れたために中国政府から自動車生産の許可が下りず、90年代に世界の他メーカーに大きく引き離され、ドン底の状態に陥っていました。奥田碩会長は、創業家御曹司の豊田章男を中国本部本部長に据え、中国市場の建て直しを命じるのですが、そこには章男が失敗すれば、豊田家をトヨタの経営から外すことができる、という奥田の深謀遠慮がありました。 「章男君程度の社員はトヨタにはゴロゴロいる」、「社長になれるかどうかは本人のがんばり次第だ。創業家に生まれたからといって社長になれるものではない」と公言していた奥田。 そこで、豊田章男が頭を下げたのが服部氏でした。奥田の最側近でもあった服部氏は、トヨタ中国事務所総代表としていかなる決断を下したのか……。 服部氏の初のロングインタビューを元に、トヨタの中国進出と、豊田家世襲の内幕を赤裸々に描いた圧巻のノンフィクションです。
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