
ビジネスに活かす脳科学 (日本経済新聞出版)
萩原一平
日経BP / 2015-07-08
この本について
仕事で判断を求められるたびに、どこまでが自分の「考え」で、どこからが思い込みなのか分からなくなることがあります。数字を集めても、ユーザーインタビューをしても、なぜか噛み合わない。自分の中に見えないクセがあって、それに引っ張られている感覚だけが残る。そんなときに、この本の抜粋がやけに現実的に刺さりました。 読んでみると、脳がどれだけ無意識の近道に頼っているかが、行動レベルで説明されているんですよね。たとえばロゴや商品名の「違和感」が、言語化できないまま購買を左右してしまうこと。アンケートでは拾えない無意識の反応が、実際の売上と相関していた実験。あるいは、最初に見た情報に足元をすくわれる固着性のクセ。それらが抽象論ではなく、「日常で自分もやってるな」と思い当たる場面つきで示されていて、変に気合を入れなくても視点が少しずつ変わっていきます。 特に、脳の97%が内部で勝手に作り出した情報に基づいて判断している、という話は、企画や分析をしているときほど意識したいポイントでした。もっとデータを見ろ、という話ではなく、むしろ「データを解釈している自分の脳も偏る」という前提に立てるようになる。その前提があるだけで、会議での言い回しや、ユーザー調査の設計、商品の見せ方が微妙に変わってくる感覚があります。 自分の判断のクセを把握したい人、そして「なぜか意思決定がずれる理由」を丁寧に知りたい人には、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの48%が集中しています。
読書の順序
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