
なぜ、間違えたのか?
ロルフ ドベリ and 中村 智子
この本について
仕事でも日常でも、「なんであの判断をしたんだっけ」と後から自分にツッコミたくなることがあります。やるべきことは分かっているつもりなのに、気づけば謎の自信や“もったいないし”の感覚に流されてしまう。僕も同じで、頭では理解していても、行動の場面ではまったく別の力が働いているのをよく感じます。 この本が刺さるのは、理屈ではなく“実際に人がどう判断を誤るか”を、やけに生々しい形で突きつけてくれるところです。たとえば、予想が当たった気になっている自分の記憶がどれだけ当てにならないか、日記に書き出して比較すると一気に現実が露わになる話。あるいは、ダーウィンが自分の考えと矛盾する観察だけを優先して記録し続けていたというエピソード。こういう具体的な行動の話が入ってくると、単なる「認知バイアスのまとめ」じゃなく、“じゃあ自分はどう動くか”が見えてきます。 もうひとつ、読者の抜粋から強く感じたのは「ストーリーに引っ張られて、確率そのものを見失う怖さ」です。条件が増えるほど起こりにくいはずなのに、ストーリー性があるだけで“ありそう”に感じてしまう。僕自身も、過去にうまくいった一例だけを根拠に判断して痛い目を見たことがありますが、この本を読むと、いかに自分の頭がストーリーを盛りがちかがよく分かります。 完璧な判断を目指したい人よりも、「自分のクセを知ったうえで、せめて少しマシな選択をしたい人」のほうがしっくりくる本です。自信があるときほど足元が滑る、あの感覚に覚えがある人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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