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天翔る (講談社文庫)

天翔る (講談社文庫)

村山由佳

講談社 / 2015-08-12

累計読者数4
平均ハイライト数 22.3件/人
推定読了時間 約5時間43分
star総合評価 48/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

仕事でも人間関係でも、自分の力を出したい時に限って空回りしたり、周りの視線が気になって萎縮してしまうことってありますよね。がんばっているつもりなのに、なぜか思ったとおりに動けない。あの「自分の中の軸がズレてる感じ」をどう扱えばいいのか、僕もずっと迷っていました。 『天翔る』の抜粋を読んでいると、まりもが馬に乗る場面だけじゃなく、人に傷つけられたあとに震えながらも前に出ていく姿が、妙に胸に残ります。志渡に「いつもどおりでいい」と背中を押されて、ほんの数歩でも自分の足で踏み出す。その瞬間の呼吸がひらく描写は、読んでいてこちらまで救われる感じがありました。誰かの期待に合わせるんじゃなくて、自分の“手綱の持ち方”を思い出す話なんだと思います。 もうひとつ印象的なのは、馬が前の人たちにだらけさせられて動かなくなっていて、まりもが脚を入れ直して反応を取り戻す場面。環境や他人の扱いで、自分の中の「動きたい気持ち」が眠ってしまうことって、現実でもよくあるなと感じました。でも、小さな合図を積み重ねると、ちゃんと前に進める。そこに変な根性論はなくて、ただ丁寧な積み重ねとして描かれているのが安心できるんです。 誰かの言葉で心が折れやすい人や、「本当の自分ってどこに置いてきたんだろう」と感じている人には、特に刺さる物語だと思います。無理に励まされるわけでもなく、でも読み終えると、自分の呼吸が少しだけ整っている。そんな一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

札幌に住む看護婦の貴子は、学校に行けなくなった11歳の少女、まりもと知り合う。自分が通う牧場(ランチ)にまりもを誘うが、そこで待っていたのは、風変わりな牧場主と、エンデュランスという乗馬耐久競技だった。馬をいたわりながら、野山にめぐらされたルートをたどり、長距離を翔けぬける。競技に魅せられた者たちだけが見ることのできる世界とは? それぞれに喪失感を抱えた男女たちが生きることに向き合っていく感動作。
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