
松本清張の昭和 (講談社現代新書)
酒井信
講談社 / 2025-12
累計読者数3
平均ハイライト数 3.7件/人
star総合評価 40/100
boltライト読書型
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この本について
仕事でも人生でも、自分の立ち位置がよく分からなくなる時があります。努力しているつもりなのに報われている実感がないとか、学歴や肩書で測られる感じにモヤっとするとか。そういう時、他人の華やかな成功談より、泥の中を歩きながら進んだ人の話のほうがスッと入ってくることがあります。 『松本清張の昭和』は、まさにその「泥の中で前に進んだ人」の記録でした。清張が小説を書き始めたきっかけが、生活苦と現実逃避だったという率直さ。給仕として学歴差別を浴びながら、それでも世界を見る目を養っていく姿。そして、ほうきの仲買をしながら感じ取った旅情が後の作品の血肉になっていく流れ。こういう「仕事にも人生にも直接つながる視点」が多くて、読んでいて何度も足が止まりました。成功者の物語というより、むしろ「どうやって自分の怒りや不安を作品に変えたのか」の等身大の話が続きます。 個人的に響いたのは、清張が自分とは作風の違う乱歩に認められ、その期待に応える形で協会を継いでいく場面でした。立場や実績よりも、自分がどう受け取り、どう返したかで道がつくられていく感じがして、妙に胸に残ります。叩き上げの人生だからこそ、運を拾いにいく姿勢がぶれないんだろうなと思いました。 華々しい逆転劇より、現実を踏まえながらじわじわ前に進みたい人に刺さる本です。
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出版社による紹介
いかにして清張は「国民作家」となったのか。凄絶な貧困、高等小学校卒という逆境から運をつかみ取った生涯を描く、初の本格評伝。
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