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新装版 赤い人 (講談社文庫)

新装版 赤い人 (講談社文庫)

吉村昭

講談社 / 2012-04-13

累計読者数3
平均ハイライト数 1.3件/人
推定読了時間 約3時間11分
star総合評価 40/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 83%

この本について

仕事でも人生でも、自分の選択が本当に前に進んでいるのか分からなくなる時ってありますよね。目の前の作業に追われているだけで、どこに向かっているのか見えない感じ。僕もそういう時期が長くあって、過去の人たちはどうやって不安や孤独と折り合いをつけていたんだろうと考えることが増えました。 吉村昭『赤い人』を読んでいて、読者の方が保存していた「狩勝峠への道路工事」や「女満別、美幌への移民」のくだりに反応する気持ちがよく分かるんです。何も整っていない土地に道を引き、暮らしをつくろうとしていく人たちの姿って、単なる開拓史ではなく、自分の生活をどう成立させるか悩む今の私たちにもそのまま重なるところがあるからだと思います。誰かが整えた道を歩くんじゃなく、自分で道を決めていく時の心細さや、それでも少しずつ地面が固まっていく感じが静かに描かれていて、読み進めるうちに気持ちが落ち着いてきました。 この本が効くのは、派手な勇気をもらうためではなく、焦らなくてもいい理由をじわっと思い出させてくれるところです。人が前に進むときって、だいたい「これで合っているのか分からないまま動き続ける」もので、そのリアルさが淡々とした文体の中に滲んでいます。自分のペースで時間を積み重ねるしかないよな、と素直に思える。 こんな人に刺さると思います。未来の見通しが立たない中でも、毎日をなんとか続けている人。そんな時に読むと、いまの足取りに少しだけ意味を感じられる本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

囚人たちの北海道開拓裏面史。明治十四年、赤い獄衣の男たちが石狩川上流へ押送された。無報酬の労働力を利用し北海道の原野を開墾するという国策に沿って、極寒の地で足袋も支給されず重労働を課せられる囚人たち。「苦役ニタヘズ斃死(へいし)」すれば国の支出が軽減されるという提言のもと、囚人と看守の敵意にみちた極限のドラマが展開する。(講談社文庫)
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