
医学の近代史 苦闘の道のりをたどる NHKブックス
森岡 恭彦
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この本について
仕事でも日常でも、「なんで今の仕組みはこうなっているんだろう」と引っかかる瞬間ってありますよね。病院に行けば当たり前のように手術ができて、検査も受けられる。でもその“当たり前”の裏側を遡っていくと、ほとんどが偶然や必死の試行錯誤でつながってきたものなんだと、この本を読んで改めて感じました。 たとえば、外科手術を担っていたのが床屋だった時代の話は、今の専門分化がいかに長い積み重ねのうえに成り立っているかを実感させてくれますし、病院が治療の場というより貧困者の収容施設だったことを知ると、「制度の目的って時代で大きく変わるんだな」と視野が広がります。さらに、顕微鏡やミクロトームの登場によって細胞レベルの観察が可能になり、医学が一気に“科学”へと進んでいく流れは、技術が思考そのものをどう変えるかを考えるヒントになります。 歴史の羅列ではなく、今の医療のかたちがどこから来たのかを追うことで、日常の違和感の正体が少し輪郭をもつようになる一冊でした。仕組みや専門性の「成り立ち」を知るのが好きな人には特に刺さると思います。
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