
存在と時間1 (光文社古典新訳文庫)
ハイデガー and 中山 元
この本について
仕事や日常の中で「自分は何を分かって生きているんだろう」と、ふと立ち止まる瞬間ってありませんか。目の前の予定はこなせるし、会話もできるけれど、その奥にあるはずの“そもそも”を考えようとすると霧がかかる感じ。そんなときに『存在と時間』を読むと、難解さに戸惑いつつも、妙に自分の足元を見直すきっかけになります。 この本が面白いのは、「現存在=わたしたち」が、自分の存在をどう理解しているのかを丁寧に問い直してくれるところです。抜粋にもあるように、わたしたちは“存在についての問い”すら忘れてしまっていて、困惑することすらなくなっている。けれど、日常の「さしあたりたいていは」という曖昧な地盤の上で生きている限り、自分の行動や判断がどこから来ているのか分からないままになりがちです。ハイデガーはそこに光を当てて、時間という枠組みが、そもそも理解や解釈の前提になっているんじゃないか、と静かに示してくれます。 読んでいて一番刺さるのは、「問い」を表面で扱わず、その裏にある“問われていること”まで掘り下げようとする姿勢です。普段の仕事でも、問いを立てたつもりで実は内容に踏み込めていないことって多いと思うんですが、この本はその癖を自覚させてくれる感じがあります。ドイツ語の語法まで拾いながら、「問いの構造」を明らかにしていくあたりは、抽象的なのに妙に実務の感覚に近いところがあるんですよね。 こんな人に刺さると思います。表面的な改善よりも、「そもそもの前提」を疑い直したいタイミングにいる人。難しい本ですが、読み切れなくても、ところどころの気づきがじわっと効いてくるタイプの一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




