
ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―
塩野 七生
この本について
仕事でも趣味でも、頭の中ではいろいろ考えているのに、いざ言葉にしようとすると途端に曖昧になってしまうことってありませんか。自分の考えをつかみきれないまま、なんとなく日々が流れていく感じ。僕もよくその沼にはまります。 塩野七生さんの『ルネサンスとは何であったのか』を読んでいて強く感じたのは、あの時代の人たちが「見たい・知りたい・わかりたい」という欲望を、自分の手で形にしようとしていたということです。レオナルドが未完の作品を多く残した理由や、言語を扱うことが思考そのものを形づくるという指摘は、いまの僕たちにもそのまま響きます。完璧に仕上げられないから手が止まる時、もしくは途中で完成形が見えてしまって情熱がしぼむ時、ああ自分もこういうところあるな、と変に勇気づけられるんですよね。 さらにこの本が面白いのは、ルネサンスが芸術家だけの話ではないと示してくれるところです。フランチェスコの「愛と優しさ」への回帰や、フリードリッヒ二世の政治と宗教の分離の挑戦など、価値観を揺さぶる出来事が土台にあったと知ると、自分の固定観念も一度ほぐしてみようかと思えてきます。世界の見え方が急に変わる瞬間が、時代にも個人にもあるんだなと腑に落ちました。 歴史書というより、考え方の凝りをゆっくりほぐしてくれる読書体験に近い一冊です。自分の思考を言葉で掘り下げたい人、ものごとの「なぜ」にちゃんと向き合いたい人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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