
生きる力・やる気を育てる自己調整学習入門:発達心理学・学習心理学に基づく現代の育児学 (総説出版)
横山悟
北樹出版 / 2024-02
この本について
勉強でも仕事でも、人に教える立場になったときほど「どう声をかければいいんだろう」と迷うことが多いですよね。励ましたつもりが逆効果だったり、任せたつもりが放置になってしまったり。相手のやる気や自律性って、結局どう育つのか…と私もずっとモヤモヤしていました。 この本を読んで腑に落ちたのは、「自己調整できるようになるプロセスって、思っている以上に“教わるもの”なんだ」という視点でした。やる気を自分で整えることも、何ができていないかを判断することも、学習の進め方を工夫することも、いきなり自然発生するわけじゃない。できていない子が“怠けている”のではなく、やり方を知らないだけ、という説明はすごく現実的で救われます。さらに、他人を頼ることまで学習テクニックとして位置づけられているのも印象的でした。困ったら聞くのは甘えではなく、むしろ戦略なんだと。 もうひとつ刺さったのは、「叱って統制するほど、主体的に学ぶ力は育ちにくい」という指摘です。褒める・励ますことが万能という話ではなく、何をできたと言語化してもらうことが、自分で調整する力につながっていく、という現実的なメカニズムが語られています。目標設定についても、背伸びしすぎると逆に自己効力感を下げるなど、具体的な失敗ポイントが丁寧に書かれていました。 子どもへの接し方に限らず、「後輩が伸びない理由が分からない」「つい全部教えてしまって、自律性を奪っている気がする」といった人に、じわっと効く本だと思います。
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