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がんと闘った科学者の記録 (文春文庫)

がんと闘った科学者の記録 (文春文庫)

戸塚洋二、立花隆・編

文藝春秋 / 2011-06-10

累計読者数3
平均ハイライト数 9.3件/人
推定読了時間 約6時間54分
star総合評価 44/100
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この本について

仕事でも生活でも、自分の判断が「これでいいのか」と揺れるときがあります。正しい答えがないテーマに向き合うときほど、根拠を求めて数字に寄りかかりたくなる一方で、数字だけでは割り切れない不安も残る。そんなモヤモヤを抱えている人に、この本はじわっと効いてきます。 戸塚洋二さんが、がん治療と最先端の物理研究というまったく違う現場で語ることは、とてもシンプルで、人間的です。ニュートリノのように「ほとんど検出できないもの」を相手にしてきた彼は、曖昧さをごまかさず、まず数値化して比較するしかないと語る。同時に、数字が示すのはあくまで一部で、生きている個体としての「私」はそこに収まりきらない、と自分の病状の記録を通して伝えてくれます。データと現実、そのあいだでどう立つのかを考えさせられました。 もう一つ印象に残るのは、「悟りとは平気で死ぬことではなく、平気で生きていること」という子規の言葉を、死を前にした科学者が静かに受け止めている姿です。科学の限界を知りつつ、それでも探究を続ける態度には、敗北主義への拒否と、希望にすがらない現実感が同居しています。生き方の話も、研究の話も、極端な精神論に流れないのが読みやすいところです。 理屈だけでも感情だけでも動けない時期にいる人、あるいは「不確かさの中でどう前に進むか」を考えている人には、特に刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「自分の命が消滅した後でも世界は何事もなく進んでいく」 ニュートリノ観測でノーベル物理学賞は確実といわれながら、がんで世を去った戸塚洋二氏。 本書は戸塚氏が余命を宣告された後、ひそかに匿名でつづっていたブログを編集したものである。がんとの闘病のみならず、人生論、科学論、医学論、教育論、宗教論と、さまざまな分野に筆が及んでおり、どのテーマであってもシャープな切り口で綴られている。その一方で、庭や公園で花を愛でつつ病から気をそらせている心境も書かれる。 巻末には立花隆氏との対談を収録。この対談が掲載された2008年8月号の発売日に、戸塚氏は世を去った。逝去の直前まで明晰さを保った科学者による感動の手記。
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