
この本について
人の評価や肩書きに振り回されて、「自分は何を大事にしたいのか」がぼやけてくる時期ってありますよね。立場や役割に合わせ続けているうちに、気づけば自分の判断基準がどこかへ行ってしまう感じ。僕も仕事で迷ったときに、どうしても視野が狭くなってしまいます。 司馬遼太郎の「殉死」を読むと、そんなモヤモヤが少し整理されます。この本は赤穂浪士の殉死を描いているんですが、いわゆる忠義礼賛ではなく、むしろ「人が何を背負い、どこで迷うのか」を淡々と追いかけていきます。例えば、武林唯七が病床の両親を残していく痛みを詩に託す場面や、介錯がうまくいかず、それでも姿勢を正して「お静かに」と告げる描写には、役目よりも人間がにじんでいて、そこに読者は刺さっている気がします。また、乃木希典の詩才に触れながら、才能と不器用さが同居する人物像を描くあたりも、「精神主義は多くは無能の隠れ蓑」という一文と合わせて、判断の基準を外に置きすぎない大事さを思い出させてくれます。 歴史の大事件を語っているようでいて、実際には「人がどう揺れ、どう決めたか」の集まりです。正しさに迷う時や、役割に押しつぶされそうな人に、とくに静かに効く一冊だと思います。
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
無料ではじめる
クレジットカード不要









