
脳は、なぜあなたをだますのか ──知覚心理学入門 (ちくま新書)
妹尾武治
この本について
仕事でも日常でも、気づけば「なんであの時あんな判断したんだろう」と自分にツッコミたくなることがあります。意思が弱いのか、集中力が足りないのか…と自分を責めがちですが、この本を読んでいると、そもそも私たちの“意思”ってそこまで頼りになる存在じゃないらしい、という事実にじんわり救われます。 特に刺さったのは、行動の多くが無意識の処理で決まっていて、意識はそれに0.5秒遅れて追いつくだけだという指摘でした。疲れている時に判断がブレるのも、初対面の印象に妙に引きずられるのも、単に「弱さ」ではなく脳の仕組み。そう思えると、自分の行動や感情に少し距離を置けるようになります。また、二重課題にハマった瞬間にパフォーマンスが落ちる理由や、満腹かどうかで他人への態度が変わってしまう瞬間など、日常の“あるある”が説明されていて、ちょっと心が軽くなりました。 さらに、この本は「脳が世界をどう処理しているのか」を丁寧にたどっていきながら、完全には言葉にできない主観の世界──色の“赤さ”のようなもの──がどこに位置づけられるのかという難問にも触れています。行動は説明できるのに、感じている世界は説明しきれない。そこに人間らしさがあるのだと気づかされます。 自分の意思や判断に自信が持てず、つい「もっと頑張らなきゃ」と追い込んでしまう人には特に刺さる一冊だと思います。自分を責める前に、脳の仕組みを一度のぞいてみると、少しだけ世界の見え方が変わります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの35%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




