
小説の読み方、書き方、訳し方 (河出文庫)
柴田元幸 and 高橋源一郎
河出書房新社 / 2013-04-04
累計読者数4
平均ハイライト数 7.3件/人
推定読了時間 約2時間36分
star総合評価 39/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 22%
この本について
小説を読んだり訳文を読んだりしていると、「これって原作と同じものを読んでいると言えるのか」「翻訳ってどこまで原文に従えばいいのか」といった妙なモヤモヤが出てくることがあります。私も同じで、原文の“正しさ”を気にしすぎて読むのがしんどくなることがあるんですよね。 この本は、その行き場のない感覚に少しだけ呼吸をさせてくれる一冊でした。翻訳は原作に似せようとしつつ、最後はどうしても別のものになる。でもそれは失敗ではなく、むしろ「ひとつのより大きい言語」の破片をもう一つ増やす営みなんだ、という視点に救われました。また、日本語を“少しずらす”ことで、母語の器自体が内側から広がる感覚があるという話も、読む側として妙に腑に落ちます。原文は古びないのに訳文は古びる理由をめぐる会話も、翻訳を読むときの姿勢をゆっくり変えてくれました。 小説をどう読むかに正解を求めすぎて窮屈になっている人、あるいは翻訳文学をもっと自由に味わいたい人には特に刺さると思います。読んでみると、作品との向き合い方にちょっとした余白が戻ってくるような本です。
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