
臣女(おみおんな) (徳間文庫)
吉村萬壱
徳間書店 / 2016-09
累計読者数3
平均ハイライト数 3件/人
推定読了時間 約6時間43分
star総合評価 32/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 31%
この本について
家のことや仕事が一度つまずくと、やらなきゃいけないことが急に雪だるまみたいに膨らんで、気づけば何に疲れているのかも分からなくなる時があります。休めばいいと言われても、生活は待ってくれないし、気力でどうにかするにも限界がある。そんな日常の「積み重なった重さ」に圧を感じている人ほど、この小説の描写がやけに胸に刺さると思います。 『臣女』は、主婦業という終わりのない営みを、きれいごとなしの生理的なレベルまで下げて描いています。食べる、排泄する、脱皮するように生き続ける。そこに対応する家事が、どれだけ絶え間なく押し寄せるものなのか。抜粋にある“工場のベルトコンベアー”みたいな描写は、まさにあの日の自分の台所をそのまま切り取られたようで、読んでいて変に納得してしまいました。そして「ストレスが忍耐力を鍛えるどころか、堪忍袋がどんどん縮んでいく」という一文も、無理にポジティブを探さず、現実は現実として受け止めてくれる感じがありがたい。 この作品が効くのは、日常に追われて自分のキャパを責めがちなときに、「これは私の問題というより、人間の構造の問題なんだ」と視点を変えてくれるところです。生活の重みを一人で抱え込んでいた感覚が、少しだけ外側から眺められるようになる。そんな余白をくれる小説です。 日々のルーティンに飲み込まれがちな人に刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの63%が集中しています。
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出版社による紹介
夫の浮気を知った妻は身体が巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、夫はひとつの決断を迫られることに―。恋愛小説に風穴を空ける作品との評を得、満票にて第22回島清恋愛文学賞を受賞した怪作が待望の文庫化!
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