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カフネ

カフネ

阿部暁子

講談社 / 2024-05-22

累計読者数42
平均ハイライト数 10.5件/人
推定読了時間 約4時間14分
star総合評価 61/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 47%

この本について

忙しさに押しつぶされそうなときって、自分がどれだけ疲れているかもよくわからなくなる瞬間がありますよね。家族や仕事のために動き続けて、気づけば「自分は何を望んでいたんだっけ」と立ち止まってしまう。誰かを思う気持ちが、いつのまにか重さや罪悪感に変わってしまうこともあると思います。 『カフネ』を読んでいて刺さったのは、人が限界に近づいたときの不器用さや、言葉にできない優しさが淡々と描かれているところでした。助けを求めるのが下手な人が倒れる直前まで頑張ってしまうこと。家族だからこそ誤解が積み重なり、本当に大事なことが伝わらないままになってしまうこと。そして、誰かに作った一皿の料理が、その人を生かし続ける力になるような小さな場面。その積み重ねが、こちらの心にも静かに染みてくる感じがありました。 この物語は「前向きになれ」と背中を押してくるタイプではなく、むしろ心の奥で絡まっていたものをほどくように、ゆっくりと視点を変えてくれます。自分の限界を認めることが逃げではないこと。他人の痛みを勝手に代弁しないほうが、むしろ関係は壊れにくいこと。そして、自分の人生の使い道は自分しか決められないという、当たり前なのに忘れがちな感覚を思い出させてくれます。 家族との距離感に悩んでいる人や、人の期待に応え続けてしんどくなっている人には、特に深く刺さる物語だと思います。無理に答えを出さなくてもいいんだと、少し呼吸がしやすくなる本でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

☆2025年本屋大賞受賞作☆ 【第8回未来屋小説大賞】 【第1回あの本、読みました?大賞】 一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。 やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。 最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。 実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス会社『カフネ』の仕事を手伝わないかと提案する。 食べることは生きること。二人の「家事代行」が出会う人びとの暮らしを整え、そして心を救っていく。
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