
生命保険は「入るほど損」?! (日本経済新聞出版)
後田亨
日経BP / 2021-04-20
この本について
保険を見直そうとすると、いつも同じところで手が止まります。営業トークは勢いがあるのに、こちらが本当に知りたい「確率」や「手数料」はなぜか曖昧なまま。外貨建てや貯蓄型の説明を聞いても、自分が何にお金を払っているのかがよく分からないまま契約だけが進んでいく。そんなモヤモヤを抱えたまま、私も「保険って、そもそも何を基準に選べばいいんだろう…」と悩んでいました。 この本は、その混乱を一度フラットに戻してくれる感じがありました。特に刺さったのは、貯蓄と保険をごちゃ混ぜにしないという割り切りです。長期間の固定金利や高い手数料で元本割れが長く続く仕組みを知ると、「無理に保険で貯めなくていい」と腑に落ちます。また、外貨建てや投信連動型は「保険会社を経由しない方が安い」というシンプルな視点も、余計な迷いを削いでくれました。さらに、「確率と経費が説明されないものは買わない」という姿勢は、保険を選ぶというより、自分の判断軸を取り戻す行為に近いように感じます。 読んでいて思ったのは、保険に強くなるというより、「手強い客」になるための本なのだということです。営業担当者に感情を揺さぶられても、「その確率は?」「全部でいくら引かれる?」と静かに立ち止まれる。自分で出せる損害以外は保険に頼らない、という考え方も、日常の選択をだいぶ楽にしてくれます。 保険のことを一度でも「なんだかよく分からないまま契約してしまった」と感じた人には、かなり刺さると思います。保険を減らすためでも、入るためでもなく、自分の判断を取り戻したい時にちょうどいい一冊でした。
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