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近代政治哲学 ──自然・主権・行政 (ちくま新書)

近代政治哲学 ──自然・主権・行政 (ちくま新書)

國分功一郎

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この本について

最近、「人って本当は利己的なのか、そうでもないのか」とか、「民主主義ってどこまで信じていいのか」といった素朴な疑問に足を取られることが多いです。社会の仕組みを考えるとき、前提になっている“人間像”がそもそも揺らいでいる感じがして、どこから考えたらいいのか分からなくなるんですよね。 『近代政治哲学』は、そのモヤモヤをごまかさずに扱ってくれる一冊でした。読んでいて印象的だったのは、ヒュームが「人間はそこまでエゴイストじゃない」と言いながら、だからこそ社会を成り立たせるには“黙約”のような、人と人のあいだで少しずつ育つ決め事が欠かせない、と言うところ。逆にルソーは、人は自然状態では穏やかだけど、社会に入った瞬間に比較が始まり、そこから恨みのような感情が生まれてしまうと見る。この視点のズレが、そのまま政治の組み立て方の違いに響いていくのが面白いです。 さらに、カントが「人類は進歩したくないけれど、仕方なく進歩していく」と語る部分は、現実の社会をどう理屈で支えるかという姿勢がよく出ていて、今の制度を眺める時の目線が一段変わりました。 頭で抽象的に政治を論じるというより、「人はどういうときに動けるのか」「どんな前提で社会はまとまるのか」を丁寧に見直せるのが、この本の強みだと思います。 自分の“前提の置き方”に違和感を抱えている人には、特に刺さるはずです。

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