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ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者 (ちくま学芸文庫)

ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者 (ちくま学芸文庫)

藤永茂

累計読者数7
平均ハイライト数 18.9件/人
star総合評価 63/100
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この本について

仕事の判断や人との距離感で迷ったとき、「自分は何を拠り所に決めればいいのか」が分からなくなることがあります。正しさを求めすぎても動けないし、かといって割り切りすぎるとどこか後ろめたい。そういう宙ぶらりんな感覚に陥ったときに、この本に出てくるオッペンハイマーの姿が、妙に現実味をもって響いてきます。 彼は天才として描かれがちですが、本書ではむしろ「才能と理想の距離に悩みつづけた人間」として立ち上がってきます。物理学者たちの自由なコミュニティに魅せられながら、国家の思惑に飲み込まれていく過程で、彼自身も何度も迷い、揺れています。読んでいると、問題の核心は技術や政治よりも、人間同士の関係や、責任の押しつけ合いにあることが見えてきます。これは仕事の現場でも心当たりがある人は多いはずです。 また、歴史上の人物を英雄や悪魔に仕立ててしまうことで、私たち自身の責任から目をそらす構造も丁寧に描かれています。誰か一人を極端な存在にして安心したくなる気持ちって、規模は違えど日常にもありますよね。本書はそれを淡々と暴きながら、判断する側の姿勢を問い返してきます。 派手なドラマではなく、迷い続けたひとりの科学者を通して「自分の迷いの正体」を見つめたい人に刺さる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

マンハッタン計画を主導し原子爆弾を生み出したオッペンハイマーの評伝。多数の資料をもとに、政治に翻弄、欺かれた科学者の愚行と内的葛藤に迫る。
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