
中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)
國分功一郎
累計読者数31
平均ハイライト数 28.9件/人
star総合評価 70/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 37%
この本について
最近、「自分で選んだはずなのに、なんでこうなったんだろう」とモヤモヤする人、多い気がします。夜更かしして次の日つらいとか、誰かの事情を知った瞬間に責める気持ちが消えるとか。能動か受動かで整理しようとすると、どこにもきれいに当てはまらない場面ばかりなんですよね。 『中動態の世界』を読むと、その行き場のなさに少し説明がつきます。著者は「私が歩く」みたいなごく普通の動作でさえ、実は能動とも受動とも言い切れない、と丁寧にほどいていきます。謝罪が「私が謝る」ではなく「私の中に謝る気持ちが現れる」ことだという指摘は、意志や責任の捉え方を強制的にゆるめてくれる感じがありました。また、依存や失敗をめぐるケースが具体的に語られるので、「選択できなかった」という状態がどういうものなのか、単なる理屈ではなく実感として入ってきます。 この本は誰にでも刺さるタイプではないですが、自分や他人の行動を「本人の責任」で片付けるのに限界を感じている人には、かなり手応えがあります。能動か受動かの二択に縛られた思考をいったん外に出して、「その間にあるもの」を見つけるための土台をくれる一冊です。
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