
トウェイン完訳コレクション 人間とは何か (角川文庫)
マーク・トウェイン and 大久保 博
KADOKAWA / 2017-04-25
この本について
最近、人に何かをすすめたり、意見を言ったあとに「あれ、これって本当に相手のためだったのかな…?」とモヤっとすることが多くて。善意でやっているつもりなのに、どこか自分の“落ち着かなさ”を消したいだけなんじゃないか、そんな疑いが頭をよぎることがあります。良心や義務って、もっと純粋なものだと思っていたのに、実際はかなり曖昧で扱いが難しいんですよね。 トウェインの『人間とは何か』は、そのモヤモヤを真正面から扱っています。読者の方が保存していた抜粋にもありますが、この本は「人の善意や選択は、結局“精神の満足”のためなのでは?」という問いを容赦なく突きつけてきます。たとえば、誰かの痛みに共感するように見えて、その実、自分が不快になるかどうかが判断基準になっている。あるいは、自分の信じてきた価値観も、外から与えられた影響の積み重ねにすぎない。そう思い当たる場面が多すぎて、読んでいると妙に静かに効いてきます。 とはいえ、この本は人間を突き放して「だから偽善なんだ」と言いたいわけではなく、「そういう仕組みで動いているなら、その前提で自分の行動を見直してみないか」という提案に近い気がします。義務感に振り回されたときも、誰かを助けたくなるときも、「自分はいま何に反応しているんだろう」と一度立ち止まる余裕が生まれる。ぼく自身、これを読んでから善意の形を少し柔らかく考えられるようになりました。 自分の“正しさ”にちょっと疲れてきた人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
読書の順序
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