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「公益」資本主義 (文春新書)

「公益」資本主義 (文春新書)

原 丈人

文藝春秋 / 2017-03-17

累計読者数4
平均ハイライト数 3.3件/人
推定読了時間 約2時間28分
star総合評価 45/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 52%

この本について

仕事をしていると、会社の判断が「本当にこれでいいのか…」と腑に落ちないまま進んでいく瞬間ってありますよね。短期の数字だけを追うための施策や、人を切って株価を上げる話が平然と語られる空気に、自分だけが違和感を覚えているようで言葉にしづらい。でもそのモヤモヤを放置すると、結局どこに向かって働いているのか分からなくなってくるんですよね。 この本は、そのモヤモヤを「あなたの感覚のほうが普通だ」と裏付けてくれる一冊でした。著者は「会社は株主のもの」という考え方そのものを問い直します。短期で利益を出せば株主は喜ぶ、だから従業員や顧客が置き去りになる。私たちが日々見ている不自然さは、個々の会社が悪いというより、ルールそのものがおかしいから発生しているんだと示してくれます。さらに面白いのは、アメリカやイギリスの現場でも同じ構造が起きていて、それを“当たり前”だと思い込んでいる人が多いというリアルな描写です。目の前の判断をどう受け止めればいいか、少し視界が広がります。 読み終えると、「自分の違和感は単なる愚痴じゃなく、資本主義の仕組みと結びついていたのか」と腹落ちする瞬間が何度かあります。組織の中で働きながらも、この構造を理解しておくと、短期の数字に振り回されにくくなるし、自分がどんな会社を選ぶか、どんな働き方をしたいかを考えるときの軸にもなります。 短期利益の空気に日々振り回されている人に刺さる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

四半期決算を廃止せよ! 長期保有株主を優遇せよ! 日本が新しい経済ルールをつくる! 日本が率先して「21世紀の新しい資本主義=公益資本主義」を世界に示すべきだ——確信をもってこう断言するのは、「理論や理想ばかりを説く経済学者」でも、「資本主義に反対する社会主義者」でも、「海外を知らない国粋主義者」でもありません。最も競争の激しいビジネスの本場、米国シリコンバレーで、数々の成功を収めてきた「最強のベンチャー事業投資家」です。 著者の原丈人さんは、考古学研究の資金稼ぎのため米国のビジネススクールに通い、さらに先端工学も学んで起業。大成を収めました。その資金をもとに新技術を創出する数々の企業の起業・経営に参画し、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストとして活躍しました。 そんな経験から、米国流ビジネスの限界と問題点を身をもって知っているのです。 株主優先、四半期決算、時価会計、社外取締役制度など、「会社は株主のもの」とみなす「米国流の株主資本主義」の導入が「改革」と称されていますが、むしろ弊害を生んでいます。「会社は株主のもの」という考えでは、投資や経営が、短期利益重視となり、新技術開発にまわすべき中長期資金や、真にリスクをとる投資が不足してしまいます。 税制や金融のルールを改めることで、マネーゲームに回っている資金を中長期投資へと導くことこそ、「公益資本主義」が目指す「成長戦略」です。中長期経営を重視する日本型経営こそ、「公益資本主義」の雛形。米国を反面教師にし、今こそ日本が新しい資本主義のルールを示すべきなのです。
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