
直感はわりと正しい 内田樹の大市民講座 (朝日文庫)
内田 樹
株式会社朝日新聞出版 / 2017-07-07
この本について
最近、何かを判断するときに「結局、何を基準にすればいいんだろう」と迷うことが増えました。ニュースを見ても専門家の話を聞いても、どれが本当でどれが願望なのか、結局わからなくなる。そんなときに内田樹さんの『直感はわりと正しい』を読むと、少し腰が据わる感じがありました。大上段から世界を語るというより、私たちが毎日感じている「違和感」や「判断のしづらさ」を丁寧に扱ってくれる本です。 特に効いたのは、まず「直感」の扱い方です。相手を一瞬で評価してしまうあの感じを、単なる思い込みとして退けるんじゃなく、むしろ鍛えるべき能力だとする視点が新鮮でした。世の中すべてがロジックで整理できるわけじゃないし、エビデンスにならないものを無視した結果、制度そのものが弱っているという話は、自分の体感とも重なります。あと、生活リズムを崩さないことが変化に気づく力を育てる、という話もやけに実感がありました。派手な方法より、地味な繰り返しの方が効く場面って、確かに多いです。 もうひとつ刺さったのは、「自分の正しさを強く主張する人を信用しない」という姿勢です。他人のミスを断言できない感覚こそ、人間を見るときの基準になるというところに、妙な安心感がありました。大きな議論や政治の話題もたくさん出てきますが、それも結局は「どう現実を見るか」という個人の態度の話に回収されていくので、読み疲れしません。 迷い続けているけど、簡単な答えには飛びつきたくない人。そういう人には特に合う一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
読書の順序
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