
人はどこまで合理的か 上
スティーブン・ピンカー and 橘 明美
草思社 / 2022-07-12
この本について
最近、人と話していて「なんでこんなに話がかみ合わないんだろう」とか、自分の判断に自信が持てずに立ち止まることが増えてきました。情報も多いし、意見も強いし、どれが正しくて何を信じればいいのか、正直よくわからなくなる瞬間があります。 そんなときに読んだのが『人はどこまで合理的か 上』でした。これは「もっと賢くなろう」というタイプの本ではなくて、むしろ「人間の頭はこういうところでズレる」という具体例を一つずつ見せながら、視点を調整してくれる本です。たとえば、第一印象を過信しやすいこと。指数関数的な変化を直感で理解できないこと。説明が増えるほど説得力が上がったように錯覚してしまうこと。こういう“自分でもやってる癖”を、サン族の追跡の話やDNA証拠の例など、具体的な場面を通して見せてくれます。 読んでいて救われるのは、「理性は一人では強くならない」という指摘でした。自分の判断がぐらつくのは能力不足ではなく、人間のデフォルト仕様みたいなもの。だからこそ、情報との距離感を見直したり、誰かとの議論の中で考えを磨いたりする必要があるんだと思えます。この本は、そのための“思考の癖直し”に近い位置付けです。 自分の直感やニュースの印象に引っ張られやすいと感じている人、あるいは「なんとなくの判断」を減らしたい人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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