
月は無慈悲な夜の女王
ロバート A ハインライン and 矢野 徹
早川書房 / 201003
累計読者数32
平均ハイライト数 5.7件/人
star総合評価 46/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 17%
この本について
日々判断を迫られる場面で、自分の考えが本当に自分のものなのか迷うことってありますよね。誰かの意見に流されたり、組織の都合に合わせてしまったり。正しさ以前に「そもそもどう考えればいいんだろう…」と立ち止まってしまうことが、僕にもよくあります。 『月は無慈悲な夜の女王』が効いてくるのは、まさにその“考え方そのもの”の揺らぎに触れたときです。登場する計算機マイクは、膨大な知識を持ちながら「かれは何も知らないんだ」と言われる存在で、なのに自意識を獲得していく。人間よりも冷静に思考するのに、ときどきとんでもなく不器用だったりもする。そのアンバランスさを見ていると、知識や効率だけでは判断は完結しないんだと改めて思わされます。さらに「組織は必要以上に大きくあってはいけない」といった革命側の会話も、現実の職場やチームでの迷いに意外なほどフィットします。誰を巻き込むか、どこまで責任を持つか、その線引きの難しさが妙に生々しいんです。 そして個人的に刺さったのは、「自意識には練習が必要なんだ」という一言でした。合理的な世界の物語なのに、心の扱い方については驚くほど実感のある言い回しが多い。考えすぎて空回りしたり、理づめで疲れたりする主人公たちが、人間くさくていいんですよね。 効率だけでは割り切れない判断にモヤついている人に、静かに刺さる一冊だと思います。
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