
発達障害と人間関係 カサンドラ症候群にならないために (講談社現代新書)
宮尾益知
講談社 / 2021-04-14
この本について
パートナーとの会話が噛み合わないとか、「なんでこんな反応になるんだろう」と首をかしげたまま一日が終わることってありますよね。こちらは普通に伝えているつもりなのに、相手には文句や攻撃に聞こえてしまう。逆に、相手は事実を述べているだけのつもりで、こちらの気持ちにまったく触れてこない。そういうすれ違いが積み重なると、自分のほうがおかしいのかと不安になってしまうこともあります。 この本は、そういう“説明できないモヤモヤ”に輪郭を与えてくれます。たとえば、相手の時間感覚が独特で「一つ終わったら全部終わった」と思い込んでしまう理由や、怒りっぽく見えて実はコントロールされることへの強い不安が背景にあること。あるいは、感情の理解が“学習で身につけるもの”で、最初から自然にできるわけではないという視点など、仕組みとして理解できる説明が続きます。こちら側が悪いわけでも、相手が悪いわけでもなく、ただ「見えている世界の構造が違う」だけなんだと、ようやく腑に落ちる感覚がありました。 さらに、日常の中で使える工夫が意外と実践的です。予定を視覚化して不安を減らすとか、こちらが伝えたいことを“つぶやき”としてそっと置くほうが届きやすいとか、相手に変わることを期待するより、限界点を理解したうえで関わり方を調整するという姿勢など、どれも現実的で試しやすいものでした。 パートナーの言動に振り回されてきたけれど、「本当はどう扱っていけばいいのか」を知りたい人に刺さる一冊だと思います。私自身、関係の“構造”がわかっただけで、少し呼吸がしやすくなりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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