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母性のディストピア (集英社文芸単行本)

母性のディストピア (集英社文芸単行本)

宇野常寛

累計読者数10
平均ハイライト数 19.4件/人
推定読了時間 約6時間56分
star総合評価 64/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 45%

この本について

ネットの空気に触れていると、「なんでこんなに疲れるんだろう」と思う瞬間がけっこうあります。誰かの正しさと正しさがぶつかって水掛け論になったり、逆に“好き”だけが無限に流れてきて、自分の気持ちの位置がわからなくなったり。便利なはずのテクノロジーなのに、どこかで自分の思考が硬直していく感じがあるんですよね。 宇野さんの『母性のディストピア』は、そんなモヤモヤの背景を「情報環境がどう変わってきたか」という視点から見直させてくれます。20世紀はテレビ的な受動の時代だったのに、21世紀でネットが“本来の姿”を取り戻したことで、私たちは相互につながりすぎ、判断や態度を常に迫られる存在になった。その変化が、SNSの息苦しさとか、言葉がやたら攻撃的になった理由とどう結びついているのかが、すっと腑に落ちていきます。 さらに面白かったのは、「自由に境界を越えられる」と振る舞う人たち自身が、結果として新しい壁をつくってしまうという指摘。これ、仕事やコミュニティでもそのまま当てはまると思っていて、“わかってる側”の無自覚さがどれだけ他者を追い詰めるのかを考え直させられました。SNSの世界がエンタメ化している、という視点も、自分の発信スタイルをどう整えるかに使えます。 ネット疲れの正体をただ言語化したい人、あるいは「なんでいつも議論がかみ合わないんだろう」と感じる人には刺さりやすい一冊だと思います。読み終わったあと、少しだけ肩の力が抜けて、世界との距離感を取り戻せる本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

敗戦の記憶は、日本人の想像力を母子相姦的な構造の中に閉じ込めた。映像の20世紀の臨界点、戦後アニメーションの3人の巨人は、この「母性のディストピア」にどう対峙したのか?宮崎駿は「母」の胎内で飛ぶことを夢見る少年たちを描いた。富野由悠季はモビルスーツという仮初めの身体と架空年代記を繰り返し破壊しつつ、「ニュータイプ」という想像力を追い求めた―『ゼロ年代の想像力』に続く傑作評論、待望の文庫化。
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