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遅いインターネット (幻冬舎文庫)

遅いインターネット (幻冬舎文庫)

宇野常寛

幻冬舎 / 2023-04-06

累計読者数14
平均ハイライト数 69.9件/人
推定読了時間 約3時間28分
star総合評価 73/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 33%

この本について

最近、情報の流れが速すぎて、自分の意見なのか流されているだけなのか分からなくなる瞬間ってありませんか。スマホを見ていると「答えを急がされている感じ」がして、でも離れると取り残されそうで落ち着かない。僕自身ずっとこの揺れの中にいて、その違和感の正体に少しだけ手が触れられたのが『遅いインターネット』でした。 この本が効いたのは、まず「人は能動的な市民でも受動的な大衆でもなく、その中間を揺れながら生きている」という捉え方でした。SNS上では白黒つける立場を求められるけれど、実際の人間ってそんなに単純じゃない。その曖昧さを前提としていいんだと思えたことで、発言のスピードよりも、自分が何を“信じたい”のかを丁寧に見る余裕が生まれました。 もうひとつは、情報環境そのものを「早く答えを出す装置」ではなく、自分の物語に触れるための場として考え直す視点です。誰かの強い物語に動員されるのではなく、浅くて薄い知り合いとのつながりのような、ゆるい関係性を広げることに価値があるという指摘が妙に現実的で、肩の力が抜けました。速い情報に飲まれがちな仕事の日々でも、立ち止まって世界に触れる感覚を取り戻すヒントになりました。 「情報に追われている感じが消えない人」に、静かに刺さる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

インターネットは世の中の「速度」を決定的に上げた。 しかしその弊害がさまざまな場面で現出している。世界の分断、排外主義の台頭、ポピュリズムによる民主主義の暴走は「速すぎるインターネット」がもたらすそれの典型例だ。 『遅いインターネット』が主張するこの指摘はコロナ禍とウクライナの戦争が起こる中、悪い意味で加速している。いま改めて最新の分析と対抗策を大幅に加筆しついに文庫化。 インターネットによって本来辿り着くべきだった未来を取り戻すには、今何が必要なのか。気鋭の評論家が提言する。 解説:成田悠輔 ——————————————— 序章 オリンピック破壊計画 TOKYO2020 平成という「失敗したプロジェクト」 「動員の革命」はなぜ失敗したか 走りながら考える 第1章 民主主義を半分諦めることで、守る 2016年の「敗北」 「壁」としての民主主義 民主主義を半分諦めることで、守る 民主主義と立憲主義のパワーバランスを是正する 「政治」を「日常」に取り戻す インターネットの問題はインターネットで 第2章 拡張現実の時代 エンドゲームと歌舞伎町のピカチュウ 「他人の物語」から「自分の物語」へ 「他人の物語」と映像の世紀 「自分の物語」とネットワークの世紀 『Ingress』から『ポケモンGO』へ ジョン・ハンケと「思想としての」Google 仮想現実から拡張現実へ 拡張現実の時代 個人と世界をつなぐもの 物語への回帰 「大きな物語」から「大きなゲーム」へ 文化の四象限 第3章 21世紀の共同幻想論 いま、吉本隆明を読み直す 21世紀の共同幻想論 大衆の原像「から」自立せよ 「消費」という自己幻想 吉本隆明から糸井重里へ 「政治的なもの」からの報復 「母性のディストピア」化する情報社会 第4章 遅いインターネット 「遅いインターネット」宣言 「速度」をめぐって スロージャーナリズムと「遅いインターネット」 ほんとうのインターネットの話をしよう 走り続ける批評 文庫版書き下ろし 新章 分断する社会とより「速い」インターネット時代への対抗戦略 1.コロナ・ショックと「速い」インターネット 2.なぜ人はウイルスを直視できなかったのか 3.パンデミックとデジタル・レーニン主義 4.プラットフォームの時代と、その罠 5.持たざる者たちの希望と絶望 6.金融資本主義とプラットフォーム 7.21世紀のグレート・ゲーム 8.回帰と加速 9.戦争と「遅い」インターネット 10.プロパガンダの本質 11.モノからコトへ、再びモノへ? 12.肉でも穀物でも酒でもなく、禁断の果実を 13.強い物事と弱い人間 14.プラットフォーム下の実空間 15.「庭」へ 16.SDGsの18番目の目標 解説:成田悠輔
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