
プログラマーとお仕事をするということ
PatrickGleeson and 青木 靖
翔泳社 / 2018-01-24
この本について
ソフトウェア開発に関わっていると、「なんでこんなに話が噛み合わないんだろう」とか、「自分の判断が本当に正しいのかよく分からない」みたいなモヤモヤが常に残ります。技術と非技術の境界で意思決定をする人ほど、その違和感が積み上がっていく感じがあると思います。僕自身、仕様書を書いても思った通りに伝わらなかったり、デザイナーや開発者とのペースが噛み合わなくて無駄が出たり、その理由が自分でも説明できないまま進めてしまうことがありました。 この本は、そういう「言語化できないズレ」の正体を一つずつ整理してくれる感じがあります。たとえば、ソフトウェアの仕様はそもそも完全に想像しきれないものだという前提や、変更が前提なのに最初から完璧なデザインを出しても後で必ず作り直しになる理由、さらに技術的負債が単なる手抜きではなく、時間や認知の限界が生む現実的な問題だという視点。読んでいると、あのときのモヤモヤは自分の能力不足ではなく、ソフトウェアというもの自体の性質だったのか、と少し肩の力が抜けます。 特に、「私たちはソフトウェアを計画しているようで、実は新しいプロセスそのものを計画している」という指摘は、プロジェクトの進み方に対する見方を変えてくれました。コードそのものより、人の行動や理解の変化に合わせて作り直すことが前提なんだ、と腹落ちした人ほど、この本の内容がしっくり来ると思います。 チームで仕事をしていて、技術と非技術の溝に日々つまずいている人に静かに刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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