
八甲田山 消された真実
伊藤 薫
山と溪谷社 / 2021-11
この本について
仕事でも日常でも、「あの判断は本当に正しかったのか」と後からじわじわ効いてくる後悔ってありますよね。自分では最善を尽くしたつもりでも、状況の把握不足や、周囲との力関係、言い出せない空気のせいでズレたまま進んでしまうことがある。そのズレが積み重なると、人も組織も簡単に迷走するんだよな…と、この本を読んで改めて思いました。 『八甲田山 消された真実』は有名な遭難事件の“裏側”を淡々と拾い直していく一冊ですが、読んでいるとただの歴史の話ではなく、「判断はどう歪むのか」「組織の空気はどう個人を縛るのか」という、今にもつながる問いがずっと突きつけられます。抜粋でも、無計画な行軍、地形の把握不足、上下関係への恐怖、責任回避の連鎖が、細部まで生々しく描かれていますよね。特に、口外を禁じられた若い隊員たちや、上司に意見できない空気に飲まれていく指揮官の姿は、時代が違っても胸に刺さるものがありました。 この本が効くのは、「なぜあの人はそんな判断をしたのか」「どうして組織全体が悪い方向に流れてしまうのか」という、自分の中の小さなモヤモヤを言語化したいときです。誰かを単純に責める代わりに、状況や構造を丁寧に見直す視点をくれる。歴史を扱っているのに、読み終わったあと、自分の職場やチームの景色が少し違って見えるはずです。 こんな人に刺さると思います。表向きはうまく回っているのに、裏で何かが噛み合っていない気配を感じている人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
読書の順序
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