
音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日 (中公新書)
岡田暁生
累計読者数6
平均ハイライト数 42.8件/人
推定読了時間 約4時間42分
star総合評価 70/100
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この本について
最近、「なんとなく今の社会の“時間の流れ”に乗り切れないな」と感じることが多い人はいると思います。仕事でも、音楽でも、人づきあいでも、どこかで決められた物語に合わせることを求められている気がして、ふと立ち止まったときに置いていかれたような感覚が残る。僕自身もそのモヤモヤをうまく言語化できずにいたのですが、この本を読むと、あの違和感がただの気のせいじゃなかったと腑に落ちました。 面白いのは、クラシックの話をしているようで、実は「社会がどんな物語で動いているか」を問い直す本だということです。例えば《第九》的な“勝利の物語”がもう社会と噛み合わなくなっているという指摘は、コロナ以降の閉塞感に直結するし、「合唱だってネットでよくない?」と言われたときに何が失われるのかを丁寧に掘り下げる箇所は、自分の仕事の根っこを確かめる作業にも近い。そして、文化が発酵するためには“地面”が枯れてはいけないという話は、個人の創作や働き方にもそのまま響きます。 大げさな希望を語らないのに、読み終わると「じゃあ自分はどんな時間を生きたいのか」を考えずにいられない。そんな本です。表向きの盛り上がりより、静かな違和感のほうに敏感な人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
コロナ禍による演奏機会の激減で、かつてない窮地を迎える音楽の現場。私たちが愛した文化のゆくえは。その最前線と未来を見つめる。
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