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武道館 (文春文庫)

武道館 (文春文庫)

朝井 リョウ

文藝春秋 / 2018-03-09

累計読者数3
平均ハイライト数 19.3件/人
推定読了時間 約4時間22分
star総合評価 59/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 36%

この本について

ふだん、自分の選択に自信が持てなかったり、周りの目に振り回されている感じがぬぐえないときってありますよね。怒りたいのに怒れないとか、どれが本当の自分なのか分からなくなるとか。僕も仕事で選択を迫られるたびに、正しさより「間違えたらどうしよう」が先に立ってしまうタイプです。 『武道館』はアイドルという特殊な世界の話なんですが、その中で語られる葛藤や視線の圧力は、社会で働く僕らが感じるそれとほとんど変わらないんですよね。無料で何でも手に入る時代に、自分が何を選ぶのかでしか自分を知れない感覚。怒れなくなっていく大人の怖さ。誰かが決めた“当たり前”をそのまま飲み込んでしまう習慣。読んでいて、自分の中のモヤモヤが言語化されていくような瞬間が何度もありました。 特に刺さったのは、「正しい選択なんてなくて、選んだものを少しずつ正しかった選択にしていくしかない」という視点です。これを読んでから、迷ったときに「どっちが正しいか」ではなく「どっちを大事にしていきたいか」で考えられるようになって、気持ちがずいぶん楽になりました。あとは、矛盾する自分をそのまま抱えていいんだと描く場面があって、変化の途中にいる自分を責めすぎなくなった気がします。 自分のペースで変わりたい人や、選択に疲れやすい人にはすごく静かに効く本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

【正しい選択】なんて、この世にない。 「武道館ライブ」という合言葉のもとに活動する少女たちが、最終的に”自分の頭で”選んだ道とは——。 様々な題材を通して現代を描き続けてきた著者が今回選んだのは「アイドル」。 視聴者のあいだで物議を醸したドラマ化を経て、待望の文庫化。 解説には、音楽家として多くのアイドルをプロデュースしてきたつんく♂を迎える。 結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。 独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、 さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。 しかし、注目が集まるにしたがって、様々な種類の視線が彼女たちに向けられるようになる。 そして、ある出来事がグループの存続さえも危うくしてしまい……。 「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」 「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」 恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル、無料文化、卒業…… この数年であっという間に市民権を得た言葉たちの中には、 アイドルという存在から発生したものも多い。 新しい言葉が生まれた場所から見えてくるのは、今を生きる人々の様々な一面。 現代社会での生き方を模索するすべての人へ送る、真摯な物語。
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