
東大教授が挑むAIに「善悪の判断」を教える方法 「人を殺してはいけない」は“いつも正しい”か? (扶桑社BOOKS新書)
鄭 雄一
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この本について
仕事でもSNSでも、相手の価値観が自分とまったく噛み合わない瞬間ってありますよね。「なんでこの人は平気でそう言えるんだろう」とか、「正しさって結局どこに置けばいいんだろう」とか。議論しても平行線のままで、モヤモヤだけが残るあの感じ、僕もよくハマります。 この本が面白いのは、道徳の“中身”ではなく、“どこまでを仲間と見なすか”という「適用範囲」で話を整理してくれるところです。人の価値観を「個人中心」と「社会中心」という大きな軸で粗視化していくと、対立が起こる理由が急に見通しやすくなる。さらに、この二つだけでは多様な社会を説明しきれないからこそ、異なる社会同士の共通性を見ようとする“第四の欲”が必要になる、という視点が妙に腹落ちしました。価値観の違いに振り回される日常を、一段引いたところから理解できる感じがあります。 もう一つ刺さったのは、「道徳は行為の内容ではなく仲間の範囲によって決まる」という指摘です。自分が“当然”だと思っていた判断も、じつは誰を仲間に含めているかで変わる。だからこそ、正しさの基準がすれ違うのも当然なんだと納得できて、他者へのイライラが少し減りました。ロボットに道徳を教えるというテーマは未来っぽいですが、読みながらずっと自分と周りの人間関係を考えていました。 価値観の違いに疲れやすい人、あるいは「正しさ」をめぐる議論がしんどい人には、静かに効く一冊だと思います。
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