
不倫 (文春新書)
中野 信子
双葉社 / 202204
この本について
恋愛や夫婦関係のことって、正解がないうえに、周りの価値観とも自分の感覚ともズレていて「これって普通なんだろうか…」と急に不安になる時があります。浮気や不倫みたいなテーマはなおさらで、モヤモヤしても人に話しづらい。でも放っておくと、相手の行動に過敏になったり、逆に見ないふりをして疲れてしまったりします。 この本は、そういう「感情の迷路」にいる時に、ちょっと視界を広げてくれるタイプの一冊でした。不倫を肯定する本ではなく、行動の背景にある脳科学や進化の仕組み、バイアスを淡々と説明してくれます。恋愛初期のドーパミンやセロトニンの上下がどれくらい人を“盲目”にするのかとか、愛着スタイルによって上司のマネジメント傾向まで変わることとか、普段ただ「性格」で片づけていたことが別の角度で見えてきます。私自身、相手に過度な期待をしていた場面を思い返して、単に自分と相手の脳の癖が違うだけ、という見方をようやく持てました。 面白いのは、個人の恋愛の話が、内集団バイアスやサンクションの話を通じて、会社のいじめやマイクロマネジメントにもつながっていくところです。恋愛の問題を「倫理」だけで見ようとすると行き詰まりますが、こういう視点を知っておくと、相手の行動を必要以上に個人攻撃しなくて済むし、自分の反応も少しは扱いやすくなります。 「恋愛や人間関係で、相手の行動の意味が分からなくて疲れている人」には、とくに刺さると思います。感情の渦中にいる時でも、淡々とした事実ベースの視点が一度呼吸を整えてくれるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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