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八月の光 (光文社古典新訳文庫)

八月の光 (光文社古典新訳文庫)

フォークナー、黒原 敏行

グーテンベルク21

累計読者数9
平均ハイライト数 29.4件/人
推定読了時間 約7時間29分
star総合評価 77/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 69%

この本について

あれこれ考えすぎて、気づけば「自分が今どこに立っているのか分からない」みたいな感覚ってありませんか。正しさとか責任とか、他人の期待とか、いろんな軸が頭の中でぶつかって、結局なにを選べばいいのか分からなくなるやつです。最近の僕もまさにその状態で、この小説を読んでいると、人がそうやって揺れる瞬間の“生々しさ”に妙に救われました。 『八月の光』の人物たちは、みんな極端な状況に置かれているんですが、心の揺れ方はびっくりするほど日常的なんですよね。誰かに期待されることが脅しに感じたり、罪悪感と責任感が同じ軛につながれて走り出したり、やりたくないことだけは自分の判断を信じられるのに、やるべきことになると途端に他人の意見を探したり。こういう描写を読むと、「あ、こういう迷い方って自分だけじゃないんだ」と思えてくる。物語なのに、人間の見えない部分を事実として突きつけてくる感じがあります。 特に刺さったのは、人が何かを選ぶとき、それが理屈じゃなくて、もっと濁った感情や惰性や恐れから生まれている場面の数々です。逃げても同じだと思い込みながら足が止まるとか、正義を語りながらどこかで自分を守っているとか、そういう“言葉にしづらい動機”が容赦なく書かれていて、自分の判断の癖まで露わにされるような読書体験でした。 きれいな答えがほしいというより、「人の奥底ってこういうところだよな」と静かに確認したい人に届く本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

白い肌の体内に黒い血の流れを信じたショー・クリスマスの性と暴力と殺人……暗い呪われた南部社会の人種的宗教的偏見への反逆の果てに、集団的リンチを受け自滅するこの主人公を柱に、貧乏白人の娘リーナ・グローヴと製板工場で働く実直なバイロン・バンチの楽天性とユーモアに満ちた交渉、さらにすべてのなりゆきをバイロンから聞く長老派牧師ハイタワーの深い動揺らを交えて描く重厚な物語。今世紀最大の文学者と目される作家の代表作。
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