
アタラクシア (集英社文芸単行本)
金原ひとみ
累計読者数5
平均ハイライト数 4.4件/人
推定読了時間 約7時間22分
star総合評価 40/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 36%
この本について
自分の気持ちがどこまで本物で、どこから不安の影なのか分からなくなる時ってありませんか。誰かに「大丈夫」と言われても、その言葉の強さと曖昧さの両方に揺さぶられてしまうあの感じ。人との距離や、自分が選んだはずの生き方の必然性さえ急に頼りなく思えて、ふっと足場が抜けるような瞬間があると思います。 『アタラクシア』は、その揺れそのものをまっすぐに描いてくる小説でした。自己主張や個性を求められる社会にいながら、そもそも「特別でいたい」という欲望の正体は何なのか。夫婦や恋愛の“形式”に安心を求めてしまうのは、揺れる世界の中で立っていたいからなのか。読んでいると、自分が普段見て見ぬふりをしている欲望や不安の層が少しずつ浮かび上がってきます。 特に効いたのは、人は不確実性の塊で、何一つ確かなものはないという前提を一度受け入れてみると、逆に世界が少し静かに見えるところ。小説を読むこと自体が、自分の“必然”の外に出るための行為なんだという視点も、自分の閉じた思考をそっと緩めてくれました。人物同士の小さな仕草に宿る温度も痛いほどリアルで、そこに頼りなくも救いのようなものが滲んでいます。 人間関係の揺れや、自分の感情の輪郭が分からなくなりがちな人に刺さると思います。
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出版社による紹介
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