
翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)
村上 春樹 and 柴田 元幸
文藝春秋 / 2003-07-18
累計読者数4
平均ハイライト数 12.3件/人
推定読了時間 約2時間44分
star総合評価 55/100
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この本について
最近、物事を「どう語ればいいのか」でつまずく瞬間がよくあります。仕事でも日常でも、うまく言葉にできないまま気持ちだけが先に立って、結局なにを考えていたのか自分でもよくわからなくなる。そんなときに読み返したのが『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』でした。翻訳論の本ではあるんですが、実際には「人はどうやって世界と折り合いをつけるか」という話がずっとつづきます。 読んでいてまず効いたのは、「深い内容ほど、簡単な言葉で語られるべきだ」という姿勢でした。つい難しい言い回しで自分をごまかしそうになるけれど、村上春樹と柴田元幸のやり取りを追っていると、言葉って呼吸のように“余白ごと”伝わるものなんだと気づかされます。もうひとつ印象に残ったのは、人の評価や制度的な位置づけに絡め取られないための距離感の保ち方です。「反体制という体制に入っていく」みたいな話が出てきて、自分が何かを選ぶとき、知らないうちに枠に乗っていたことにハッとしました。 そして何より、この本はホールデンのように「どこに自分を据えればいいのか」迷っている読者にやさしいです。怒りでも正しさでもなく、ただ戸惑いを抱えた個人の声をどう受け止めるか。その視点があるからこそ、読後に少しだけ肩の力が抜けました。 自分の言葉に迷いがちで、他人の評価に引っ張られやすい人に、じんわり刺さると思います。
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出版社による紹介
サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の新訳を果たした村上春樹が翻訳仲間の柴田元幸と、その魅力・謎・真実の全てを語り尽くす。ホールデン少年が語りかける「君」とはいったい誰なのか? 村上が小説の魔術(マジック)を明かせば、柴田はホールデン語で、アメリカ文学の流れのなかの『キャッチャー』を語ってのける。永遠の青春文学の怖さ、ほんとうの面白さがわかる決定版です。「幻のキャッチャー・イン・ザ・ライ訳者解説」を併録。
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