
菜根譚 (岩波文庫)
洪自誠 and 今井 宇三郎
PHP研究所 / 2007-03-19
この本について
仕事でも家でも、つい感情に振り回されてしまう瞬間ってありますよね。頭では分かっているのに、怒りや焦りが先に動いてしまう。あとから自己嫌悪が押し寄せてきて、「もう少し落ち着けたら違ったのに」と何度も思う。僕もそこから抜け出せずにいた時期がありました。 『菜根譚』を読み返していて救われたのは、「感情に飲まれそうになった瞬間に、ふと我に返るだけで流れが変わる」という視点でした。烈火のような怒りがわいたとき、その状態を“知っている自分”に気づくことで、魔性の勢いが落ちていくというあの一節です。完璧に制御する必要はなく、まず気づくこと。それなら今の自分でもかろうじてできるかもしれない、と力が抜けました。さらに、この本は「一歩譲る」「三分減らす」など、衝動を抑えたり、他人とうまく距離を取ったりするための小さな行動を具体的に示してくれるので、読みながら自然と自分の反応が変わっていく感覚があります。 もう一つ、この本が静かに効いてくるのは「執着しすぎず、過ぎたことは風のように流す」という姿勢です。竹やぶを抜ける風のたとえが象徴的ですが、感情の余韻をいつまでも握りしめなくていいと思えるだけで、人間関係のしんどさが少しやわらぎました。怒りや後悔にしがみついてしまいがちな人ほど、ここの比喩が胸に残るはずです。 感情に疲れやすい人、他人への接し方に悩んでいる人、そして「もっと穏やかに生きたいのに、実際はなかなか難しい」という人には、静かに寄り添ってくれる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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