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武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世 (ちくま新書)

武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世 (ちくま新書)

桃崎有一郎

累計読者数3
平均ハイライト数 20.7件/人
star総合評価 59/100
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この本について

歴史を読んでいると、「この制度って誰が、どんな現場の事情から作ったんだろう…?」みたいな引っかかりがずっと残ることがあります。武士の起源もまさにそれで、学校で習った断片的な知識のままでは、どうつながっているのか腑に落ちないまま大人になってしまった、という人は多いはずです。僕自身も、東国で自生したとか、武士は農民の武装だとか、なんとなく聞いた話を信じていた側でした。 この本が面白いのは、その「なんとなく」を丁寧につぶしていくところです。読者の方が抜き出していたように、地方豪族のネットワークに王臣家が入り込んでいく構造とか、京で先に成立した滝口武士という制度の存在とか、「武士は地方発」という思い込みをひっくり返す材料が次々に出てきます。しかも、学説を紹介するだけでなく、なぜその説に限界があるのかまで示してくれるので、読み進めるほど霧が晴れていく感じがありました。武芸の伝承がどこから供給されたのか、父から子へどう受け継がれたのかという視点も、生身の人間の営みとしてすごく腑に落ちます。 歴史の大きな物語よりも、「現場の事情を知りたい人」に刺さる本です。自分の中で曖昧だった武士像が、制度・環境・血筋・社会構造の組み合わせとして立体的に見えてくる。その変化が、この本を読むいちばんの効能だと思います。

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