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わるい食べもの (ホーム社)

わるい食べもの (ホーム社)

千早茜

集英社 / 2018-12-10

累計読者数4
平均ハイライト数 25.5件/人
推定読了時間 約3時間2分
star総合評価 66/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 45%

この本について

仕事帰りに歩きながら、「なんでこんなに毎日ざわつくんだろう」と思うことがあります。うまく説明できない感情が積もっているのに、言語化できないまま流してしまう。自分の好き嫌いや、心が動く瞬間の理由さえよくわからなくなる時期ってありますよね。 千早茜さんの『わるい食べもの』は、そういう“説明しにくい揺れ”を無理に整理しないまま書いてくれる本でした。酔った夜道のやわらかさとか、誰かと「は~やれやれ」と茶をすする瞬間とか、子どもの頃に飲めなかった牛乳の記憶とか。自分の中にも確かにあるのに普段は見ないようにしている感覚が、そっと浮かんでくる感じがあります。忘れたくない小さな場面に光を当てる姿勢にも、救われる人は多いと思います。 読みながら「自分にもこういう匂いの記憶があった」とか、「ああ、食って感情に直結してたんだ」と気づく瞬間が何度もありました。大げさな人生論ではなく、暮らしの端っこにある感情を丁寧に拾い直すだけで、気持ちは少し落ち着くんだなと感じます。食の話なのに、なぜか自分の人間関係や、生きてきた時間の手触りまで思い出す不思議な読書でした。 ふだん理由のわからないモヤモヤを抱えやすい人、感情がうまく言葉にならない人にとって、静かに効いてくる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

幼少期をアフリカで過ごし、デビュー作『魚神(いおがみ)』が小説すばる新人賞と泉鏡花文学賞をダブル受賞。『男ともだち』でも高い評価を得るなど文芸界の最前線を駆ける作家が、「食」をテーマに幼少期の記憶から創作の裏側、世の常識への疑問まで多彩につづる初のエッセイ集。「いい食べもの」情報が氾濫する今だからこそ、「わるい」を追求することで食の奥深さを味わい、ひいては生き方そのものを問う意欲作。紙の書籍にはモノクロ掲載の人気イラストレーター・北澤平祐氏による挿画も、電子版には全てカラーで収録。
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