
社会学史 (講談社現代新書)
大澤真幸
講談社 / 2019-03
この本について
仕事でも日常でも、「なんでこういう状態が続いているんだろう」「これって本当に当たり前なのか?」と立ち止まる瞬間があると思います。目の前のルールや慣習を疑いたいけど、どこから手をつけていいのかはよく分からない。自分もずっとそのモヤモヤを抱えていました。 『社会学史』は、そういう“当たり前の揺らぎ”をそのまま出発点にしてくれる本でした。ホッブズの自然状態が「みんなが犯罪を犯している状態」として描かれていたり、社会学は「社会秩序はいかにして可能か」という問いから生まれたという話が続いたりと、普段の発想を根本からひっくり返されます。でも難解というより、読んでいると「ああ、今見ている景色の前提ってこうやってできたんだな」と腑に落ちていく感覚がありました。 特に刺さったのは、物事を「事実問題」ではなく「権利問題」として考える視点です。現にそうなっているかどうかではなく、「そもそもそれがどうして成り立つと考えられるのか」を問う。仕事で慣習に縛られて動けなくなったとき、この考え方はかなり効きました。もうひとつは、「偶有性」という考え方。今ある状態は必然ではなく“たまたまそうなっているだけかもしれない”。この視点を持つだけで、状況を俯瞰できるようになります。 理屈をこねたいというより、「いまの社会の成り立ちを一度、地図として描き直したい」という人に向いています。自分の立っている場所の背景を知りたいときに、静かに効く一冊でした。
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