
モンスター組織
リブ・コンサルティング、権田和士
実業之日本社 / 2019-07-20
この本について
職場で「なんであの部署はわかってくれないんだろう」とか、「結局どこに問題があるのか全然見えないまま現場だけ疲れていく」という感覚、けっこう多いと思います。自分も、うまくいかない空気の原因をつい“誰か”に求めてしまう瞬間があります。でも、それを続けても何も前に進まないんですよね。 『モンスター組織』が効いてくるのは、この“矢印の向けどころ”をそっとずらしてくれるところです。制度を変えれば何とかなると思いたくなるけれど、現場の本音や信頼関係がぐちゃっとしたままでは、どんな制度も疑心暗鬼の材料になってしまう。著者たちは、表に見える制度よりも、その下に沈んでいる心理メカニズムをどう整えるかに重心を置いています。例えば、トップと幹部のスピード感がまったく噛み合っていないと、同じ言葉を使っているのに別の方向を向いたまま走り出してしまう。そういう“ズレ”を放置しない地味なコミュニケーションの積み重ねこそが、組織の正常化につながると説明してくれます。 読んでいて一番刺さったのは、「誰も悪くない」という前提に立つことでした。これは甘い話ではなく、組織の問題を“人の問題”として扱い続ける限り、ずっと同じ場所をぐるぐる回るだけになる、という現実的な視点です。犯人を探さないことで初めて見えてくるメカニズムの歪みがあるし、その歪みを直すアプローチは、フレームワークの当てはめではなく、その組織の文脈に合わせた処方箋をつくるしかないという話にも納得感がありました。 「制度をいじれば何とかなる」という発想にどこか限界を感じている人や、組織の空気の悪さを誰のせいにもできずに困っている人に、とても落ちる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの80%が集中しています。
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