
教養としてのヤクザ(小学館新書)
溝口敦 and 鈴木智彦
小学館 / 2019-10-08
この本について
仕事でも日常でも、「表に見えているルールと、実際に動いている力学って違うよな…」と感じることが多くて、答えのないモヤモヤがたまる時があります。正面から学ぶ類のテーマじゃないけれど、社会の“裏側”を少し知っておかないと判断を誤る気もする。そんな距離感のまま読み始めたのがこの本でした。 印象的だったのは、ヤクザが時代の変化に飲まれていく姿がとても人間的に描かれていることです。ネットで抗争の動画が流れ、LINEで通達が飛び、銀行口座すら持てない。かつては“働かずに食える”ことに価値があったのに、そのカードがどんどん目減りしていく。読者が抜き出していた部分から伝わるのは、「強そうに見えるものほど、時代に翻弄される」という現実でした。 もう一つ刺さったのは、地域によってヤクザの姿がまったく違うという話です。都会の派手な抗争やシノギではなく、地方では密漁が生活の糧になっていたり、祭りのテキ屋との共犯めいた関係が続いていたりする。ニュースでは絶対に見えない“生活としての裏社会”を知ると、物事を一面的に見ていた自分に気づかされます。 この本は、ヤクザを美化するものではありません。むしろ「なぜこういう構造が残り、どう変わってきたのか」を淡々と追っていて、社会の仕組みを立体的に見るための材料をくれる一冊です。 表の論理だけでは世の中の動きが腑に落ちない、と感じている人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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