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緩和ケア医が、がんになって

緩和ケア医が、がんになって

大橋洋平

双葉社

累計読者数6
平均ハイライト数 71件/人
推定読了時間 約2時間52分
star総合評価 76/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 55%

この本について

がんじゃなくても、生きていると「結果がわかれば安心できるのに」とか、「弱音を出したら迷惑かけるだけかな」とか、心がせわしなくなる瞬間ってありますよね。頭では「比べても意味がない」とか「無理しないほうがいい」とわかっていても、体も心も追いつかないまま日々を回してしまうというか。 この本が刺さるのは、その“追いつかなさ”がそのまま言葉になっているところでした。著者は緩和ケア医でありながら、がんの当事者になった人です。体が思い通りにならない日々の描写は、生々しいほどリアルで、でも悲壮感だけじゃない。たとえば「食べられなくても、生きられる」と腑に落ちるまでの過程や、結果が見えない不安と共存しながらも「それでも今日を過ごしている」という視点の揺れ。あるいは、ただ電車に乗って往復するだけの小さな旅に、生活の輪郭が戻っていく感じ。どれも“正しさ”より“現実”を見ているから、無理に前向きへ引っ張られないのが救いでした。 読みながら思ったのは、強くなろうと気合を入れることより、「いまの自分をそのまま扱う」ことのほうが、案外むずかしいということ。苦しいときにいい人でいる必要はないし、がんと共に生きるなんて本音では嫌だ、と著者自身がはっきり書いてくれる。その正直さに、こちらの肩の力も少し抜けていきます。 大きな答えはなくても、目の前の生活をどう積み重ねていくかを探している人には、静かに効いてくる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

緩和ケアに携わる身でありながら、萩原健一さんの命を奪ったのと同じ希少がんを患った医師、大橋洋平さん。初めて「患者として」実感した苦しみや気付きを朝日新聞に投稿し、大反響を呼んだ。消化液の逆流で一晩中椅子に座って眠ることを余儀なくされる地獄の日々。スプーン1杯しか食べられず、100キロあった体重が40キロ減って愛妻に当たってしまったこと……過酷な闘病と医学書には決して出てこない患者の真実を、得がたいユーモアを交えて明かす書き下ろし手記。
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